さて、近年口の中の細菌が全身の病気に関係していることがわかってきています。高齢化に伴い国が認知症対策、認知症を予防しようという政策が取られています。
「認知機能と歯周病についての研究」
研究の背景
口腔衛生習慣の改善により、虫歯(う歯)は減少してきました。 しかし、30歳以上の成人の約80%が歯周病にかかっていると言われており、歯の喪失原因の第1位です。歯周病は、細菌感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯ぐき (歯肉)や、歯を支える骨が溶けてしまう病気です。また、歯周病は糖尿病や心疾患、脳血管障害や認知症にも関与すると言われています。
研究成果の内容
歯周病と認知症には深い関係があります。歯周病によって認知症のリスクが増大します。また、認知機能が低下すると歯周病のリスクが増大します。そのため、認知機能が低下した高齢者には歯周病の対策が重要であり、以下の項目が推奨されます。
- 口腔ケア(適切な歯磨き、定期的な歯科検診、電動歯ブラシの導入も有用)
- 生活環境の改善(禁煙、節酒、適度な睡眠、運動習慣、調理力も有用)
- 医療者の意識改善(かかりつけ医による歯科受診推奨、介護者による口腔ケア)
- 本人・家族・医療や介護関係者における口腔ケアへの意識改善
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当歯科医院でも口腔ケアの大切さを患者さんに知ってもらえるよう努めています。
高齢になってからではなく、若い世代にも予防の大切さを知ってもらえるよう今度も努めてまいります。


